耐熱ガラスについて

耐熱ガラスの特長

ガラスは、透明・力が加わると割れる・空気や電気、液体を通さないといった特長を持っています。耐熱ガラスは、普通のガラスと原料が違い、熱膨張率を低くすることで温度変化に強くし、加熱や冷却にも普通のガラスよりも耐えられるようにしたものです。

温度変化に強い耐熱ガラス製を活用すれば、寒いところで火をつけたりできます。

また、酸やアルカリに耐久性を持ち、匂いや色移りがしにくく、油汚れも落としやすいのも耐熱ガラスの特長で、料理を入れるのに適したガラスだといえるでしょう。

耐熱ガラスが耐えられる温度

耐熱ガラス製の容器は、耐熱温度差(熱衝撃性)が120℃以上という基準を満たしています。熱温度差とは、高温に加熱したガラスを冷水などに入れて急速に冷やした際にガラスが割れない温度差のことで、数字が大きいほど熱に強いガラスといえます。

例えば、200℃のオーブンで容器を加熱した直後に、10℃の水で冷やしても割れない場合、その容器の耐熱温度差は190℃ということになります。

ガラスが熱で割れてしまうのはなぜ?

ガラスが割れる理由は大きく分けて二つ。一つ目は衝撃による割れ。落としたり、ぶつけたりした時に力が加わった衝撃で傷が入り割れてしまいます。

もう一つは熱衝撃による割れです。ガラスには「熱が伝わりづらい」という特長があり、加熱による急激な温度変化が起こると、熱くなる部分と冷えたままの部分に分かれます。熱い部分は熱膨張を起こし体積が大きくなりますが、冷たい部分は膨張しません。その境目に、ガラスを左右から引っ張る力が発生するため、ガラスがヒビ割れてしまいます。

冷やしたガラスに熱湯をかけたり、逆に熱くなったガラスを冷水につけたりすると割れることがあるのは、この引っ張る力が理由です。耐熱ガラスは熱による膨張率が小さく力の発生を抑えられるため、熱に強いのです。

 

耐熱ガラス製をより長く使うためのコツ

熱に強いとはいえ、耐熱ガラスも熱膨張や収縮がまったく起きないわけではなく、ごくわずかに膨張・収縮しています。

ガラス面に深い傷ができていると、その傷を起点として熱膨張や収縮による力で破損しやすくなるため、硬いものとぶつけたり研磨剤で擦ったりすることは避けましょう。表面にできるだけ傷をつけないように使うことが、耐熱ガラス製の容器を長持ちさせるためのコツです。